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【2025年版】ライターのインボイス制度・完全攻略ガイド|登録の判断から請求書の書き方まで

ライターってインボイスの登録必要なの?

そもそもインボイスってなに?

インボイス制度が自分に関係ある制度なのかよくわからないライターの方も多いでしょう。

この記事では、ライター向けにインボイス制度の仕組みや「インボイスが自分にとって必要か」の判断基準がわかります。

インボイスについて理解を深めたいライターは、ぜひ参考にしてくださいね!

目次

「消費税のルール」をおさらい

そもそも消費税とは?

私たちはモノを買うとき、代金と一緒に消費税を支払います。

100円の商品なら、10%の10円をプラスして110円を支払いますよね。

この私たちが支払った消費税は、お店が預かり、私たちの代わりに国へ納める仕組みになっています。

実際には、お店側も商品の仕入れなどで消費税を支払っているため、計算はもう少し複雑です。

ざっくり言うと、「売上で預かった消費税」から「経費で支払った消費税」を差し引いた残りを、国に納付することになります。

ライターの報酬にも消費税が含まれている

実は、ライターが受け取る原稿料などの報酬にも、消費税が含まれています。

本来であれば、受け取った消費税から経費(取材費やPC代など)にかかった消費税を差し引き、その差額を国に納めなければなりません。

しかし、日本の税制には「売上1,000万円以下の事業者は、消費税の納税を免除する」というルールがあります。

この免税ルールが適用されている人を「免税事業者」と呼びます。

多くのフリーランスライターは、この免税事業者に該当するのではないでしょうか

インボイス制度がライターに与える影響

「免税事業者」に大きな変化をもたらしたのがインボイス制度です。

インボイスとは、一言でいうと「国が認めた、登録番号入りの請求書(適格請求書)」のこと。

なぜこれが必要なのかというと、クライアント(企業など)が消費税を計算する際、「インボイスがないと、経費にかかった消費税を差し引けなくなった」からです。

つまり、課税事業者であるクライアント側からすると、あなたのインボイスがないと「自社が負担する消費税が増えてしまう」ため、インボイスを必要としているのです。

ここでライターにとって大きな悩みが生まれます。

インボイスを発行するためには、たとえ売上1,000万円以下であっても、あえて「課税事業者」にならなければなりません。

これまで免除されていた消費税の納税義務が発生し、事務作業の増加や税金の支払いによって、実質的な利益が減ってしまう可能性があるのです。

ライターは「インボイスの登録しない」でもいい?未登録で受ける3つの影響

クライアントが消費税を納めている「課税事業者(出版社や編集プロダクションなど)」の場合、インボイスに登録していない免税事業者のライターは、少なからず仕事に影響を受ける可能性があります。

具体的にどのようなリスクがあるのか、3つのポイントをしっかり理解しておきましょう。

インボイスに登録しない場合に考えられる3つの影響

消費税分の減額交渉

ライターがインボイスを発行できないと、クライアント側はあなたが執筆した記事の報酬にかかる消費税を、自社の納税額から差し引くことができません。

クライアントから見れば「インボイスがないライターに頼むと、自社の消費税の納税負担が実質的に増える」ことになります。

そのため、その負担分を補填するために、報酬の減額(消費税分の値引き)を相談されるケースが出てきています。

発注側が一方的に減額を強制することは法的に問題となる可能性がありますが、「次回の契約更新時の単価見直し」として交渉されることは十分にあり得ます。

新規案件での不利

もしあなたが、自分と同程度のスキルを持つ「インボイス登録済みライター」と同じ案件に応募したとします。

クライアントの視点に立つと、コスト(税負担)を抑えられる「登録済みライター」に依頼したくなるのが本音です。

未登録のままだと、新規案件に挑戦するチャンス自体を逃してしまう「機会損失」のリスクがあります。

経過措置のカウントダウン

インボイス制度には、免税事業者からの仕入れでも一定額を控除できる「経過措置」が設けられていますが、これには期限があります。

経過措置のスケジュール
  • 2026年9月30日まで: 支払った消費税の80%を控除可能
  • 2026年10月1日〜: 控除率が50%にダウン
  • 2029年10月1日〜: 控除が完全にゼロ

2026年秋からは、クライアント側の税負担がさらに増えることになります。

現在は「80%控除できるからいいよ」と言ってくれている取引先も、控除率が下がるタイミングで「やはり登録してほしい」あるいは「取引を継続しにくい」と判断を変えるかもしれません。

ライターのインボイス登録の判断基準

インボイスに登録すべきかどうかは、あなたの「売上規模」と「取引先が誰か」の2点で決まります。

特に重要なのが、「取引先が消費税をどのように計算しているか」という点です。

たとえば、取引先が「簡易課税」という計算方法を選んでいる場合、インボイスがなくても相手の税負担は増えません。

そのため、登録していなくてもこれまで通り取引できるケースがあります。

まずは以下のチェックリストで、自分の状況を確認してみましょう。

インボイスに登録するべきライター

取引先が「課税事業者(出版社やWEBメディア運営会社など)」中心

相手が企業の場合、多くはインボイスを必要としています。

さらに取引先が消費税を「本則課税」で計算している場合、あなたのインボイスがないと相手の税金が増えるため、登録を求められる可能性があります。

年間の売上が1,000万円を超えている(または超える予定)

売上が1,000万円を超えると、インボイス制度に関係なく、どのみち2年後には「課税事業者」になります。

早めに登録して信頼を得るのも一つの手です。

インボイスに登録不要(様子見)でよいライター

取引先が個人(ブロガーなど)や、免税事業者が中心

相手が消費税を納めていない免税事業者であれば、インボイスを発行しても相手にメリットはありません。

あなた自身も登録する必要はないでしょう。

取引先が「簡易課税」や「2割特例」を選択している

相手の消費税の計算方法によっては、インボイスの有無が納税額に影響しません。

例えば「簡易課税」や「2割特例」を選択している場合は、未登録でも問題ない場合があります。

副業などで売上が小さく、税金や事務負担が利益を大きく圧迫する場合

手残りの金額がガクンと減ってしまう場合は、あえて登録せずに「免税事業者のまま受け入れてくれる取引先」に絞って活動するのも一つの戦略です。

ライターでインボイス登録した人は「2割特例」と「簡易課税」を知ろう

インボイスに登録して「課税事業者」になったら、次に考えるべきは「消費税をどう計算するか」です。

計算方法には「本則課税」と「簡易課税」の2種類がありますが、さらに今なら期間限定の「2割特例」も選べます。

どれを選ぶかで納税額が数万円〜十数万円変わることもあるため、しっかり理解しておきましょう。

消費税の計算方法は2種類

基本となる計算方法は、以下の2つです。

本則課税(原則課税)

「受け取った消費税」から「経費で支払った消費税」を実費で差し引く方法です。

PC代や取材費などの経費が非常に多いライターに向いていますが、帳簿付けがかなり複雑になります。

簡易課税

「あなたの業種なら、経費はこのくらいだよね」と国が決めた割合(みなし仕入率)でざっくり計算する方法です。

ライターの場合、第5種事業(みなし仕入率50%)に該当します。

メリットは実費を計算しなくていいため、帳簿付けが圧倒的にラクになります。

ただし、事前に税務署へ「簡易課税選択届出書」を提出しておく必要があります。

2割特例

2026年9月までの申告なら、多くの場合、「2割特例」が最もお得です。

2割特例は、売上にかかる消費税の「2割」を納めればOKというルールです。

例えば、売上500万円(消費税50万円)なら、納税額は10万円。

免税事業者から、インボイス登録を機に課税事業者になった人が対象です。

事前の届け出も不要で、申告時に選ぶだけで簡易課税(ライターは5割)よりも大幅に税金を安く抑えられます。

どっちがお得?ライターの判断基準

ライターの多くは、PC代や通信費くらいしか経費がかからないため、実費で計算する「本則課税」だと損をすることが多いです。

  • 2026年9月まで: 迷わず「2割特例」を選びましょう。
  • 2026年10月以降(特例終了後): 「簡易課税」への切り替えがおすすめ。

[ポイント] ライターでインボイス登録をしたばかりの方は、まずは「2割特例」で納税額を最小限に抑えつつ、特例が終わるタイミングで「簡易課税」へ移行するのがよいでしょう。

ライターのインボイス・請求書の書き方

インボイス制度導入に伴い、請求書の書き方にはルールが課せられました。

登録状況に合わせて、以下のポイントを押さえて作成しましょう。

① インボイス登録済み(適格請求書発行事業者)の場合

インボイスとして認められるためには、以下の6項目が記載されている必要があります。

請求書に記入するべき項目
  1. 書類作成者の氏名(または名称)と登録番号
    「T+13桁の番号」を必ず記載します。
  2. 取引年月日
  3. 取引内容(「原稿料」「記事執筆代」など)
  4. 税率ごとに区分して合計した対価の額および適用税率
  5. 税率ごとに区分した消費税額等
  6. 書類の交付を受ける者の氏名(または名称)

【重要】源泉徴収税がある場合の計算順序

ライターの報酬は、所得税が源泉徴収されるケースがあります。

インボイス制度下では、「消費税を計算してから、その後に源泉徴収税を引く」のが正しい計算方法です。

計算例:報酬10,000円(税抜)の場合

  1. 報酬(税抜):10,000円
  2. 消費税(10%):1,000円
  3. 源泉徴収対象額:10,000円(※原則、消費税を除いた金額で計算)
  4. 源泉徴収税(10.21%):1,021円
  5. 差引振込額:9,979円(10,000 + 1,000 – 1,021 = 9,979)

② インボイス未登録(免税事業者)の場合

インボイスに登録していない場合、これまで通りの請求書で問題ありません。

ただし、「登録番号(T番号)」は記載できません。

未登録ライターが気をつけるべきマナー

クライアント側が「この人はインボイス登録しているかな?」と確認する手間を省くため、以下のような配慮があるとスムーズです。

未登録ライターが気をつけるべきこと
  • 「免税事業者である旨」を伝える: 初めての取引の際、請求書を送る前に一言「私は免税事業者のため、インボイス登録はしておりません」と伝えておくと、支払処理のミスを防げます。
  • 消費税の記載について: 免税事業者であっても、消費税相当分を請求すること自体は禁止されていません。しかし、相手企業によっては「消費税額を分けて書かないでほしい(内税表記にしてほしい)」と指定されるケースもあります。事前にクライアントのフォーマットを確認しましょう。

③ ライター向け請求書の見本

以下は、一般的なライターの請求書の項目例です。

項目内容例(インボイス登録済みの場合)
タイトル請求書
宛先〇〇株式会社 御中
発行者自分の氏名(ペンネーム不可)、住所、電話番号
登録番号T1234567890123
品目〇〇WEBメディア 記事執筆代(11月分)
小計(税抜)30,000円
消費税(10%)3,000円
源泉徴収税▲3,063円(30,000円 × 10.21%)
合計金額29,937円
振込先銀行名、支店名、口座種別、口座番号、口座名義

④ ペンネームで請求書を出してもいい?

結論から言うと、インボイス(適格請求書)としては「本名(または税務署に届け出ている屋号)」の記載が必要です。

ペンネームしかない場合、クライアントが「誰に対する支払いか」を公的な登録番号と照合できず、インボイスとして認めてもらえない可能性があります。

対策: 請求書には「本名」を記載し、メールの署名などで「(ペンネーム:〇〇)」と補足するのが最も安全な実務対応です。

インボイスについてよくある質問

ライターとインボイスについてよくある質問をまとめました。

ペンネームで活動しているが、本名はバレる?

原則として、公表サイトには「本名」が掲載されます。

インボイス登録をすると、国税庁の「適格請求書発行事業者公表サイト」に登録されます。

個人事業主の場合、本名が誰でも検索できる状態になるため、身バレを気にするライターさんは注意が必要です。

ただし、住所については「公表するかどうか」を自分で選択できるため、プライバシーを完全に守りたい場合は住所非公開の設定にしておきましょう。

副業ライターでも登録は必要?会社にバレない?

登録は任意ですが、副業バレのリスクは「ゼロ」ではありません。

インボイス登録自体で会社に直接通知が届くことはありません。

しかし、前述の公表サイトは誰でも閲覧できるため、会社名や本名で検索された場合、副業をしていることが判明する可能性があります。

副業ライターの方は、まず「クライアントからインボイスを求められているか」を確認し、不要であればリスクを冒してまで登録する必要はありません。

「印税」にはインボイスがいらないって本当?

出版契約に基づく「印税」には原則不要です。

印税は「著作権の使用料」であり、出版社が発行する「支払通知書」をインボイスの代わりにする特例(媒介者交付特例など)が適用されるケースが多いからです。

ただし、WEBメディアなどの「原稿料」は対象となります。

自分の契約が「印税」なのか「原稿料」なのか、契約書を必ず確認しましょう。

取引先から一方的に「消費税分の報酬をカット」と言われたら?

一方的な通告は、法律(下請法や独禁法)に抵触する可能性があります。

発注側が免税事業者に対して、一方的に「来月から10%引きで」と強制することは、優越的地位の濫用として禁止されています。

ただし、「消費税相当額の一部(経過措置の8割控除分など)を考慮した価格交渉」自体は認められています。

もし不当な値下げを迫られた場合は、公正取引委員会の相談窓口などを活用することも検討してください。

登録したあと、やっぱりやめたい(免税に戻りたい)時は?

「取りやめ届出書」を提出すれば、翌期から免税事業者に戻れます。

一度登録したら一生そのまま、というわけではありません。

「思っていたより納税負担が重い」「取引先が変わってインボイスが不要になった」という場合は、期限までに手続きをすることで免税事業者に復帰することが可能です。

まとめ

インボイス制度は、すべてのライターが一律に登録すべきものではありません。

自分の売上規模や、主要なクライアントが誰であるかによって「正解」は人それぞれです。

最後に、この記事で解説した重要なポイントを振り返りましょう。

この記事のまとめ
  • 登録の判断: 法人取引が中心で、案件獲得のチャンスを広げたいなら「登録」。副業で規模が小さく、取引先も個人のみなら「様子見」でOK。
  • 未登録のリスク: 値下げ交渉や新規案件での不利など、3つの影響を正しく理解しておく。
  • 登録後の節税: 登録した人は「2割特例」や「簡易課税」を活用して、納税額と事務負担を最小限に抑えるのが鉄則。
  • 請求書の変更: 登録した場合は「T番号」の記載を忘れずに。源泉徴収税との計算順序にも注意。

インボイスへの対応は、最初は難しく感じるかもしれません。

しかし、一度自分の方針を決めてしまえば、あとはこれまで通り記事を書くことに集中するだけです。

一歩ずつ準備を進めて、ライターとしてさらなるステップアップを目指しましょう!

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