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副業ライターは確定申告が必要?所得区分・経費・節税までやさしく解説

副業ライターで報酬を受け取ったけど、確定申告は必要なの?

いままで申告したことないから、どうすればよいか分からない!

副業ライターが稼ぎ出したとき、気になるのが確定申告についてです。

わたしは、9年間個人事業主の記帳代行や確定申告のサポートを行ってきました。

小売業や理美容、飲食業、製造業、建築業などさまざまな業種を担当しています。

最近は、漁業などちょっとニッチな業種も経験中です。

そこで、この記事では「記帳代行✕副業ライター」の知識をいかして、初心者でも迷わない「副業ライター向けの確定申告」について解説します。

この記事でわかること

初心者がつまづきやすいポイントを、リアルな実例を交えながらやさしく解説します!

目次

副業ライターで確定申告が必要になるケースとは?

確定申告が必要になるケースは以下のとおりです。

上記のどれかに当てはまる場合は、確定申告を行いましょう。

所得が年間20万円を超えた場合

副業で稼いだ所得が年間20万円を超えたライターは、必ず確定申告をしましょう。

所得は「報酬ー経費」で算出される金額です。

例えば・・・

所得の計算方法(例)

①ライター業の年間収入:100万円

②ライター業に関係する経費:60万円

③年間の所得:①ー②=40万円 → 確定申告の必要あり!!

稼いだ金額と使った経費は正しく計算して、「確定申告が必要かどうか」をしっかり見極めましょう。

確定申告の具体的な方法については「確定申告の方法|初心者にもできる3ステップ」の章を参考にしてくださいね!

医療費控除やふるさと納税など控除を受けたい場合

所得が20万円を超えない場合でも、確定申告をすることで受けれる控除を利用したい場合は申告が必要です。

確定申告が必要な控除
  • 医療費控除
  • ふるさと納税(ワンストップ特例を利用していない場合)
  • 寄付金控除
  • 初年度の住宅ローン控除

上記の控除を受けたい方は、所得が20万円以下でも確定申告をしましょう。

クライアントから源泉徴収されており、還付金が発生する場合

ライターの報酬は、クライアントから源泉徴収される場合があります。

そもそも源泉徴収とは何でしょうか?

源泉徴収は、クライアントが「あなた」の代わりに所得税を収めてくれる制度です。

源泉税を払いすぎている場合は、確定申告をすれば還付金を受け取れます。

源泉徴収されている場合、「確定申告でお金が戻る可能性があるんだな〜」と覚えておけば大丈夫です!

副業ライターの報酬は「雑所得」?それとも「事業所得」?

副業ライターの報酬(売上)は、「雑所得」「事業所得」に分類されます。

所得の種類内容
雑所得副業・単発の収入
事業所得継続的な収入ある場合、専業ライター

継続的かつ安定した収入がある副業ライターの報酬は、「事業所得」として扱われる可能性があります。

また、所得の違いにより確定申告で使える制度が異なります。

所得の種類/税務上の扱い/節税のメリット

雑所得開業届不要、白色申告のみ経費計上可能(一部制限あり)
事業所得開業届の提出、青色申告可能青色申告控除、損益通算、赤字繰越可能など

継続的な収入がある場合、「事業所得」として扱われ、税制上のメリットを受けることが可能です。

副業レベルなら雑所得として扱われるケースが多い

会社員が副業でライター活動を行っている場合や、単発・断続的な執筆案件のみの場合は、原則「雑所得」として申告する場合が多いです。

雑所得の場合でも、必要経費を差し引くことは可能ですが、青色申告や損益通算はできません。

また雑所得が年間20万円以下の場合でも、確定申告が必要なケースもあります。

詳しくは、前章「確定申告が必要になるケースとは?」を参考にしてください。

事業として継続的に行う場合は事業所得に該当

ライティングを本業として行っている場合や、安定して収入を得ている場合は「事業所得」として扱われます。

税務署に「開業届」を提出している個人事業主やフリーランスが該当。

事業所得で申告すると、青色申告特別控除(最大65万円)や赤字の繰越控除、損益通算(給与所得との相殺)といった税制上のメリットを受けられます。

ただし、青色申告をしたい場合は「青色申告承認申請書」を提出が必要です。

後述「節税の基本|青色申告のメリットを活かそう」を参考にしてください。

確定申告の方法|初心者にもできる3ステップ

副業ライターが確定申告をする際のステップは以下の通りです。

確定申告は、「1年間のお金の動きをまとめる→書類を作成する→税務署に出す」という3ステップで行います。

① 必要書類を準備する

確定申告で必要な書類は以下のとおりです。

確定申告に必要な書類一覧
  • 源泉徴収票(本業の勤務先から)
  • 収支内訳書または青色申告決算書
  • 確定申告書(第一表、第二表)
  • 副業の報酬明細や支払調書
  • 経費の領収書など
  • 控除証明書(保険、ふるさと納税など)
  • マイナンバーカードや本人確認書類
  • 還付金をもらう口座情報

報酬や経費については、あらかじめ会計ソフトやExcelなどでまとめておくと、次のステップ「申告書を作成する」が楽になります。

確定申告書や収支内訳書、青色申告決算書は国税庁のホームページからダウンロード可能です。

または、会計ソフトから直接入力することもできます。

② 申告書を作成する

確定申告書の作成方法は以下の3つです。

申告書の作成方法3つ
  • 国税庁の「確定申告書等作成コーナー」の利用
  • 会計ソフト
  • 手書き

作成方法にはそれぞれメリット・デメリットがあります。

作成方法/メリット/デメリット

国税庁「確定申告書等作成コーナー」無料・自動で税金を計算会計帳簿作成には対応していない
会計ソフト帳簿入力→申告書作成までワンストップ有料・初期設定などに時間がかかる
手書きパソコンがなくても作れる転機ミスが発生しやすい・修正が大変

専業ライターや報酬が大きい方は、「税理士に依頼する」というのも手段のひとつです。

費用がかかりますが、正確性や節税の提案など手厚いサポートが期待できます。

③ 税務署へ提出する

確定申告書の提出方法は3つあります。

提出方法/メリット/デメリット

税務署窓口その場で確認できて安心外出必要、混雑している可能性
郵送外出不要・簡単不備・修正が遅れる
e-Tax(電子申告)24時間対応・控除優遇・還付が早い初期準備が必要

電子申告の場合、青色申告特別控除の満額(65万円)が狙える点が大きなメリットです。

経費になるもの・ならないものをチェック

副業ライターが、経費にできるもの経費にならないものは以下のとおりです。

経費にできるもの経費にできないもの
書籍
パソコン・周辺機器

アプリの使用料(生成AIなど)
通信費・電気代・家賃(個人使用分と按分する)

取材費

交通費

コアワーキングスペース利用料

交際費

会議費
文具代

デスク・椅子代
個人的な食事・買い物

社会保険料

所得税

家族旅行

健康診断や医療費

自宅の家賃や光熱費の全額

「個人的な支払い」は、経費に計上できないと覚えておきましょう。

副業ライターの主な経費例

勘定科目/主な内容

租税公課個人事業税、商工会・商工会議所等の会費、行政サービスの手数料
水道光熱費電気代(個人分と按分する)
旅費交通費取材時にかかる交通費・宿泊費
通信費インターネット利用料、携帯料金(個人分と按分する)、アプリの使用料(生成AIなど)
広告宣伝費WEBライターとしてのブログ運営費
接待交際費打ち合わせにかかる食事代・贈答品
消耗品費10万円以下のパソコンや備品、文具代
減価償却費10万円以上のパソコンや備品
外注工賃外部への業務委託でかかる費用
地代家賃事務所や自宅、駐車場(個人分と按分する)、コアワーキングスペース利用料
新聞図書費ライター業に関連する書籍、新聞

水道光熱費や通信費、地代家賃は、プライベートな支出も混ざる場合が多い勘定科目です。

その場合は、必ず按分します。

按分の例

条件:1日あたりの作業時間3時間、家賃5万円

計算式:家賃 ×(業務時間 ÷ 総時間)

1日の作業時間=3時間

1ヶ月=30日として、3時間×30日=90時間

1ヶ月の総時間=24時間×30日=720時間→ 業務使用割合は 90 ÷ 720 = 0.125(12.5%)

5万円 × 0.125 = 6,250円

上記の例に示すように、家賃を業務時間で按分することが可能です。

面積割合で考えるケースや、数量割合で考えるケースなど経費ごとに最も合理的な方法で按分する必要があります。

按分比率については、税務署へ説明できるよう根拠を明確にしておきましょう。

大切なことは、税務署にきかれたときに「なぜその割合か」をきちんと説明できるような分け方をしましょう。

経費にならないケースの注意点

経費にならないもの

個人的な食事・買い物

社会保険料

所得税

家族旅行

健康診断や医療費

自宅の家賃や光熱費の全額

個人的な支出は、必ず経費から除外してください。

間違いやすいポイントは、社会保険料や所得税を計上してしまうパターンです。

社会保険料に関しては経費ではなく「社会保険料控除」で所得から差し引けます。

判断に迷った場合は、国税庁のホームページで確認しましょう。

家族旅行の費用をわざと計上する方は、実際にいました(笑)
本人は、仕事だと言いはりましたが旅行の明細からウソが発覚。
「ダメですよ」と注意してそっと経費から除外しました・・・。

節税の基本|青色申告のメリットを活かそう

毎月の収入が安定してきた副業ライターは、節税を意識して青色申告を始めましょう。

青色申告は白色申告とは違い、控除や特典がつきます。

「開業して2ヶ月以内」又は「青色申告を受けようとする年の3月15日」までに「青色申告承認申請書」へ提出することで、青色申告が可能です。

青色申告の始め方

「開業して2ヶ月以内」又は「青色申告を受けようとする年の3月15日」までに「青色申告承認申請書」へ提出する

帳簿のレベルや提出方法に応じて10万、55万、65万円の控除が得られます。

また、赤字を3年間繰り越せるなどメリットがたくさん!

所得が大きくなり、税金面に不安を感じてきた方はぜひ活用しましょう。

青色申告と白色申告の違い

青色申告と白色申告の違いを表にまとめました。

項目青色申告白色申告
事前申請
記帳方法複式簿記(55,65万控除)
単式簿記(10万控除)
単式簿記
提出書類青色申告決算書+確定申告書収支内訳書+確定申告書
特別控除最大65万円
赤字の繰越◯(最大3年)
帳簿の保存期間7年5年

青色申告は、白色申告と比べて手間が多いですが節税の恩恵を受けれます。

記帳の方法は、簿記の知識をもって複式簿記で記帳すればより大きな控除を受けることが可能。

簡易的な帳簿(単式簿記)でも最低10万円控除を受けられる点は青色申告の大きな魅力です。

事業所得として申告する方は、必ず「青色申告」を選びましょう。

ライター業は利益率が高い業種です。
「経費になるものが少なくて税金高いよ〜」なんて方は、青色申告の65万円控除を狙いましょう!

青色申告は副業ライターでもできる?

副業ライターでも青色申告は可能です。

ただし、以下の要件を満たす必要があります。

副業ライターが青色申告できる要件
  • ライターの副業が趣味やアルバイト的な「雑所得」ではなく、継続的かつ事業的規模と認められる
  • 開業届および青色申告承認書を期限内に税務署へ提出している
  • 青色申告に必要な記帳義務を果たしている
  • 所得が20万円を超え、確定申告が必要なケース

判断に迷うのが、副業ライターの報酬が「事業所得として青色申告できる規模とは?」という点でしょう。

判断基準は法律上明確には決められていません。

国税庁によると収入が300万円以上だと事業所得とみなされる傾向があるものの、300万円以下でも事業として認められるケースもあります。

共通して言えることは営利性、継続性がある場合は事業所得として認められるケースが多いということ。

つまり、単発や趣味的な副業では雑所得とみなされますが、収入規模が大きく継続して反復的にライター業を行い、帳簿付けや経費管理をしているなら事業所得として認められる可能性が高いです。

判断に迷ったら、所轄の税務署や税理士に相談するとよいでしょう。

実際、わたしが担当してきた個人事業主やフリーランスの方でも300万円以下で青色申告をしている方も多いです。

副業ライターが青色申告特別控除を受けるには?

控除額/条件

65万円1. 事業所得がある
2. 複式簿記で記帳している
3. 青色申告決算書を添付して確定申告する
4. 申告期限内に申告している
5. 現金主義による所得計算の特例を選択していない
6. e-Taxで申告するか、仕訳帳・総勘定元帳を「優良な電子帳簿」として保存している
55万円1~5の条件は65万円控除と同じ
10万円1. 単式簿記で帳簿付けしている
2. 貸借対照表はなくてもOK
3. 青色申告決算書の簡易版を添付し確定申告

副業ライターが青色申告特別控除を受けたい場合は、上記の条件をクリアする必要があります。

控除額が大きくなれば、条件はよりきびしいです。

特に、55万円以上の控除を受けたい方は「帳簿を複式簿記で作成する」必要があります。

複式簿記はお金の出入りをより詳細に記録して、「どこからどこにいったのか」を正確に記録する方法です。

簿記3級レベルの知識があると理解しやすいですが、最近は会計ソフトに取引を入力するだけで初心者でも簡単に帳簿を作成できます。

帳簿付けに不安を感じる方は、まず10万円控除から狙ってみましょう!

税理事務所や商工会、商工会議所、クラウドソーシングサイトを利用して記帳代行をお願いするのもアリです。
費用は発生しますが、記帳の手間がなくなるので稼いでいきましょう!!

副業ライターの確定申告についてよくある質問

副業ライターの確定申告についてよくある質問をまとめました。

副業で会社にバレないようにするには?

副業ライターで「会社にバレたくない」と思う方もいるでしょう。

バレる主な原因と対策方法をまとめます。

副業がバレる原因/対策

住民税でバレる確定申告で住民税の納付方法を「普通徴収」にする
会社のひとに話す絶対に言わない
副業をしているところを見られる会社で副業はしない、見られない場所でおこなうなど

中でも注意すべき点は「住民税」です。

サラリーマンの住民税は、給与から「特別徴収」で天引きされています。

給与以外の収入もあわせて徴収されるため、金額が大きくなれば経理担当者に「副業収入があるのでは?」と疑われるリスクがあります。

対策としては、確定申告をする際に住民税の納付方法を「普通徴収」に設定すること。

給与は「特別徴収」、副業収入は「普通徴収」と分けて納付することで会社にバレるリスクを下げることができます。

「本当に普通徴収になっているかな?」と心配な方は、市区町村に電話で「住民税の納付方法を確認したい」と聞いてみましょう。

困ったときの相談先は?

確定申告で迷ったときの相談先やサポート先を以下の表にまとめました。

相談先/内容・特徴

税務署申告方法や税務全般の無料相談。書類を持参して個別相談も可能。
国税庁電話相談センター一般的な税の質問を電話で対応。確定申告や控除の質問ができる。
税理士複雑な税務や節税対策、個別具体的な相談に対応。費用がかかる場合も。
商工会議所・商工会会員向けに確定申告相談を実施。地域によって対応内容と時期が異なる。
地元市区町村の相談窓口税務相談や確定申告時期の臨時相談会を開催することがある。

​一般的な内容は、PerplexityやChatGPTなどの生成AIでも回答してくれます。

しかし、個別ケースや判断に迷ったらは税務署や専門家に相談しましょう。

確定申告をしないとどうなる?

確定申告をしないと、税務署から指摘された場合に税金を多く払わなければいけなかったり、罰金を取られたりすることがあります。

また、青色申告が受けられなくなったり、お金を借りるときに不利になることも。

確定申告は必ず期限内に行いましょう。

「確定申告=めんどくさい」と感じる方は多いです。でも、実は「1年の売上成績表」を作る大事な作業。数字を振り返りつつ、申告書を作り上げましょう。

会計ソフトはどれを選べば良い?

会計ソフト/特徴・強み

弥生会計国内最大手
操作がわかりやすく安定性が高い
税理士との連携サポートが充実
初心者から上級者まで使える
freee(フリー)クラウド型でスマホ操作にも対応
自動仕訳機能が優秀で初心者に使いやすい
銀行連携や領収書読み取り機能も便利
マネーフォワード多機能で連携サービスが豊富
AIによる自動仕訳や帳簿作成、経費、請求書、勤怠など幅広い業務を一元管理
高度な分析機能
タックスナップ手軽なスマホ完結型
領収書撮影で経費入力が簡単
確定申告書作成にも対応
低価格で初心者におすすめ

弥生会計、freee、マネーフォワードは会計ソフトの中でも特に人気です。

タックスナップは、新しいーサービスで「初心者向け・簿記知識なし」でも利用しやすいと評判です。

選ぶ基準は、使いやすさ・サポート体制・価格・自動連携機能の有無などで決めます。

公式ホームページや口コミを参考にして選びましょう!

通帳やクレカの自動連携機能は、使いやすくて優秀です。
入力の手間やミスを防げるため非常に便利。

まとめ|確定申告を正しく知って安心してライター活動を

副業ライターでも、報酬を受け取っていれば税金のことは避けられません。

特に「所得が年間20万円を超えるかどうか」が、確定申告が必要かどうかの大きな目安です。

ただし、収入と経費の考え方や「雑所得/事業所得」の違いによって扱いが変わります。

迷ったときは、住民税の設定や青色申告・経費の判断など、早めに確認しておくと安心です。

正しく申告すれば、ムダな税金を払わずに済みますし、青色申告の控除や経費を活用すれば節税もできます。

これから副業ライターとして活動していくなら、早めに税金の基本を押さえておきましょう!

税金の仕組みを味方につけて、
楽しく収入アップしていきましょう!

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この記事を書いた人

副業ライターとして活動中。
これまで個人事業主の経理や記帳・税務サポートに携わってきた経験を活かし、ライターのための「確定申告・経費・お金まわり」をやさしく解説しています。
難しいことが苦手な人にも、「自分でできる」お金の管理を伝えたいと思っています。

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